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作詞・作曲:明石隼汰 (1995)
10才の夏
なぜだか裏庭に穴を掘りたくなったの
地球の真ん中まで届くような気がして
地球の裏側までぬけるような気がして
むしょうに穴を掘ってみたくなったの
暑い日でセミが鳴いてた
ランニング一丁で
大きなスコップ一丁で
今車庫のあるあたり
生い茂る雑草を掘り返し始めたの
土のいい匂いがして
その日は気がついたら日が暮れて
ずいぶんと深く掘った気がしたな
1メ−トルは いってたかな

毎日毎日
少しずつ少しずつ穴は深くなっていったの
時間はたっぷりあったし
宿題もテレビもメシもみんな忘れて
父ちゃんが心配して夕方呼びに来るまで
むし暑い夏の日に泥んこになって
スコップ握りしめてた

5日目をすぎた頃かな
茶色い土が粘土に変わってきて
地盤が固くなってきて
なかなか進まなくなってくるの
もしもマントルが出てきたらどうしようとか
昔の財宝が出てきたらどうしようとか
地底に別の文明があったらどうしようとか
いろいろ考えてドキドキして
そのときが一番楽しかったな

掘り返した土がいっぱいにたまって
ときおり落ちてくるから
急いで別な場所にどけなきゃいけなくなってきて
気がつけば自分の背より地上は高くなっていてね
短くて暑い夏だったな
あの頃はどんなことでもできた

その年担任の先生がガンで死んで
代わりに来た女の先生にはがっかりした
黒板に字をでっかく書いて子供扱いするから
小さくても読めますっていったら
みんなの前でひどく叱られた
全国の合唱コンク−ルでうちのクラスが勝ち抜いて
地区大会の前の日 数が多いからって
好きだったパ−トを降ろされた
自分が何の力もないちっぽけなやつだって
ああ
そのころから思い始めてたのかな

ある日学校から帰ったら
穴が埋められてたの
父ちゃんは何もいわなかったけど
粘土のついた靴がすべてを語ってた
あっけない夢の終わりだったけど
そのときの真っ赤な空の色は今でも忘れないよ
その夜の泣きはらした悔しさ今でも覚えてるよ
10才の夏


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